不登校【再活動希望期】親の悩み|再登校のベストなタイミングとは?

【再活動希望期】再登校のベストなタイミングとは?

「私、そろそろ学校行けるかも…」

子どもからそんな言葉が出たとき、あなたはどんな気持ちになりますか?

「やっとここまで来た!」という安堵の気持ち。
「でも本当に大丈夫なの?」という不安な気持ち。
「この機会を逃したら、また行けなくなるかも…」という焦り。

不登校の子どもを持つ親にとって、再活動希望期はとても嬉しい反面、どう対応すればいいのか悩む時期でもあります。特にHSC(Highly Sensitive Child/とても敏感な子ども)気質の子どもの場合、ちょっとした環境の変化でも大きく気持ちが揺れ動くことがあります。

「今が復帰のタイミングなのか?」
「無理をさせて、また疲れてしまったらどうしよう…」

こうした悩みを抱えるのは、ごく自然なことです。

この時期に大切なのは、「今すぐ学校に戻すべきかどうか」ではなく、子どものエネルギーが十分に満ちているかどうかを見極めること。焦って再登校を促すよりも、「学校に行けるだけのエネルギーをためること」に意識を向ける方が、結果的にスムーズな復帰につながります。

この記事では、不登校・再活動希望期の親が抱える悩みに寄り添いながら、「どのタイミングで学校復帰を促せばよいのか?」について考えていきます。


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「再活動希望期」とは?

再活動希望期

不登校は、ある日突然終わるものではありません。学校に行けなくなったあとも、子どもの心の中ではさまざまな変化が起こり、少しずつ回復の過程をたどります。

この回復の流れは、大きく6つの段階に分けられます。

  1. 不安定期(学校に行けなくなる)
  2. エネルギー枯渇期(心も体も疲れ切っている)
  3. 休息期(エネルギーを回復するための静かな時期)
  4. 興味・関心回復期(少しずつ好きなことを楽しめるようになる)
  5. 再活動希望期(「学校に行こうかな」という気持ちが出てくる)
  6. 再登校期(学校へ行くことを実際に試みる)

※他の記事では6段階を【不登校開始期】【悩み苦しむ時期】【エネルギー補充期】【エネルギー再活性期】【再活動希望期】【完全登校・社会復帰期】としていますが、内容は同じです。わかりやすい方でお考え下さい。

「再活動希望期」は、ちょうど 「興味・関心回復期」と「再登校期」の間 に位置する時期です。

この時期の子どもは、


✅ 「また学校に行けるようになりたい」と思う気持ちが生まれてくる
✅ でも「やっぱり怖い」「不安だ」という気持ちもある
✅ 学校の話を自分からすることが増える

など、前向きな変化が見られます。ただし、この段階は「学校復帰が確実になった」という意味ではありません。子どもの気持ちは日によって揺れ動くことが多いので、親としては慎重に見守ることが大切です。


【親の悩み①】 どのタイミングで学校復帰を促すべきか?

親の悩み1

① 「行きたい」と言ったら、本当に行けるの?

「行こうかな…」は、「行く!」とは限らない。

「そろそろ学校に行こうかな…」

「じゃあ、いつから行ける?」

そう具体的な話を進めたくなるかもしれません。でも、ここで一つ大切なことがあります。

再活動希望期の子どもは、「行きたい気持ち」と「まだ怖い気持ち」の間を行ったり来たりしています。だから、「行きたい」と言ったからといって、すぐに登校を決めるのは少し待った方がいいのです。

では、どうやって子どもの気持ちを見極めればよいのでしょうか?


② 子どものエネルギーが満ちているかのチェックポイント

再登校のタイミングを考えるうえで、最も重要なのは「エネルギーの蓄え」が十分かどうかです。子どもの様子をよく観察し、以下のような変化が見られるかを確認してみましょう。

好きなことに没頭する時間が増えているか
→ 以前は何をする気力もなかったけれど、最近は好きなアニメやゲームを楽しめるようになった。

家の中での活動が活発になっているか
→ 自分から料理を手伝ったり、親と会話する時間が増えている。

生活リズムが安定しているか
→ 夜ふかしが減り、朝起きる時間が一定になってきた。

外出に対する抵抗が減っているか
→ コンビニや公園など、短時間でも外に出ることが増えてきた。

これらの変化が見られる場合、子どものエネルギーは少しずつ回復していると考えられます。ただし、これらが全て当てはまらないからといって、「学校に行かせてはいけない」というわけではありません。

大切なのは、「親が安心できるかどうか」ではなく、「子ども自身がエネルギーをためているかどうか」。


③ 学校以外の小さなステップを作る

「学校に行こうかな」と言った子どもに対して、すぐに登校を促すのではなく、まずは小さなステップを作ることが大切です。

例えば、

STEP
家の中で「できること」を増やす

→ 簡単な家事を手伝う、読書をする、趣味に取り組む。

STEP
短時間の外出を試してみる

→ 近所を散歩する、親と一緒に買い物に行く。

STEP
学校の先生と手紙やオンラインでやり取りしてみる

→ 直接登校する前に、少しずつ学校との関係を作る。


このようなステップを積み重ねることで、子どもは「社会とつながっている」という感覚を持ちやすくなります。そして、エネルギーが十分に満ちてくれば、自然と「学校に行く」という選択肢が現実的になってきます。

【親の悩み②】 無理をさせすぎて逆戻りしないか心配

親の悩み2

① 「せっかく前向きになったのに…」という焦りの気持ち

子どもが「学校に行こうかな」と言い出すと、親としては「このチャンスを逃してはいけない!」と感じることもあるでしょう。

「また行けなくなったらどうしよう…」
「今、背中を押さなかったら、次の機会はないかもしれない…」

このように思うのは、親が子どもを心から心配し、少しでも良い方向に進んでほしいと願っているからこそ。でも、子どもはまだ回復途中。焦って無理をさせると、かえって疲れがたまり、「やっぱり無理だった」と自信をなくしてしまうこともあります。

だからこそ、再活動希望期において親が意識したいのは、「今のペースを大切にすること」です。


② 無理のない再活動の進め方

「子どもが前向きになったタイミングを逃さないように」と、つい励ましたり、背中を押したりしたくなるかもしれません。でも、親が頑張らせようとすると、子どもはプレッシャーを感じてしまいます。

親ができるのは、「頑張ること」ではなく、「子どもが安心して動ける環境を整えること」です。そのために、以下の3つを意識してみましょう。

① 子どもが話しやすい環境を整える

  • 「学校に行こうかな」と言われたとき、すぐに「いつから行く?」と具体的な話に進めるのではなく、「そうなんだね」「そう思えるようになったんだね」と、まずは受け止める。
  • 子どもが不安や迷いを感じたとき、「何を心配しているの?」と詰めるのではなく、「そっか、ちょっとドキドキするんだね」と共感する。

② 「頑張ったね!」よりも「楽しめた?」の声掛けを意識する

  • 子どもが学校や外出を試みたとき、「すごい!頑張ったね!」と言うよりも、「今日はどうだった?楽しかった?」と、気持ちを大切にする。
  • 頑張りを評価するのではなく、子どもが「自分のペースで大丈夫なんだ」と思えるようにする。

③ 学校よりも「活動の充実」を目指す

  • 「学校に行くかどうか」ではなく、「子どもが生き生きと過ごせるかどうか」を大切にする。
  • たとえば、好きなこと(絵を描く、料理をする、動物と触れ合うなど)を通じて、少しずつ外の世界とつながる経験を増やす。

学校に戻ることだけをゴールにするのではなく、子どもが「楽しい」と感じられる時間を増やしていくことが、結果的に社会復帰への一歩につながります。


③ 再登校を焦らず「エネルギーの貯金」を増やす

再活動のエネルギー貯金

子どもが学校に行こうかなと思い始めたとしても、心の中ではまだ不安が残っていることが多いです。特にHSCの子どもは、環境の変化に敏感で、ちょっとしたストレスでも心のエネルギーを消耗しやすいもの。

そのため、「今日行けたから、明日も行けるはず」と考えるのではなく、子どものエネルギーの「貯金」を増やすことを意識することが大切です。

💡 エネルギーの貯金とは?
子どもが「楽しい」「安心する」「やってみたい」と思える経験を積み重ねること

子どものエネルギーが十分に満ちれば、無理に促さなくても自然と「学校に行く」という選択肢が自分の中に生まれてきます。親は、そのタイミングを焦らず待つことが何より大切です。

「今日は行けた!」ではなく「今日は楽しく過ごせた!」を大事にする
登校だけにとらわれず、「できること」を少しずつ増やす
親も「休むこと」をポジティブに受け入れる


まとめ:子どものエネルギーが満ちるまで見守ろう

再活動期、再登校ベストなタイミングまとめ

不登校・再活動希望期の子どもは、「学校に行きたい気持ち」と「まだ怖い気持ち」を行き来しています。親としては、どのタイミングで学校復帰を促すべきか悩むこともあるでしょう。

でも、大切なのは、「今すぐ学校に戻すこと」ではなく、子どものエネルギーが十分に満ちるのを待つことです。

💡 この記事のまとめ
「そろそろ学校に行こうかな…」は、回復の途中。焦らず見守る
エネルギーが満ちると、子どもは自然と動き出す
親ができるのは、子どもが安心できる環境を整えること
学校復帰をゴールにせず、まずは「できること」を増やす

そして何より、親自身も「今のままでいいのかな?」と不安になったときは、「エネルギーが満ちれば、子どもは動き出す」と信じてあげること

子どもが自分のペースで前に進んでいけるように、温かく見守っていきましょう。

🌱 あなた自身の気持ちも大切に

不登校の子どもを支える親は、常に気を張っていることが多いです。「この対応でいいのかな?」と悩みながら、試行錯誤を繰り返していることでしょう。

でも、子どもがエネルギーを蓄えるのと同じように、親も自分の心のエネルギーを補充することが大切です。

📌 親ができること
一人で悩まず、同じ経験を持つ人とつながる(SNSやサポートグループ)
「私も休んでいい」と自分に許可を出す
小さな成長を一緒に喜ぶ

あなたの気持ちが安定していると、子どもも安心して自分のペースで進むことができます。焦らず、ゆっくり、子どもと一緒に歩んでいきましょう。

「エネルギーが満ちれば、子どもは自然と動き出す」

そう信じて、今は安心して見守る時間を大切にしてくださいね。

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