「最近、少しだけ笑顔が増えた気がする」
「話しかけたときに返事をしてくれるようになった」
「寝てばかりだったのに、今日は自分から起きてきた」
そんな小さな変化に気づいたとき、「あれ?ちょっと元気になってきたかも」と感じるお母さんも多いのではないでしょうか。
この記事では、「不登校」「自尊心」「回復」「再活性期」といったキーワードをもとに、**子どもが少しずつ元気を取り戻し始めたタイミングで、どんな言葉をかければいいのか?**についてお話しします。
- 「再活性期」ってどんな状態?家庭で見られるサインとは?
- 子どもの「自尊心」が育つと、心と行動にどんな変化が出る?
- 実際に家庭で使える“声かけ5選”を、具体例つきで紹介
- 避けたい声かけのパターンと、その代わりになる言葉
「再活性期」とは?家で見られるサインとタイミング
「再活性期」という言葉にあまりなじみがないかもしれません。これは、不登校の子どもが少しずつ元気を取り戻し始める時期のことです。
この時期のサインは、実は家庭の中にそっと現れます。
🟡たとえば、こんな変化が見られたら…
- 一日中寝ていた子が、少しずつ起きて過ごす時間が増えた
- 食事の時間に顔を出すようになった
- ゲームやスマホ以外の話にも反応してくれるようになった
- 「ちょっと聞いてよ」と自分から話しかけてくれた
- 表情が少し柔らかくなった、笑顔が見えた
これらはほんの些細なことかもしれませんが、**「子どもの心が少しずつ回復してきている」**サインです。
ただし、ここで大切なのは、「よし、学校に戻れるかも!」と焦らないこと。
この時期は、心のエネルギーが“まだ完全に満タンではない状態”。
小さな歩みを大切にしながら、“子どものペース”を尊重する関わり方が求められます。
自尊心が育つと、子どもはどう変わる?
不登校の子どもにとって、学校に行けないことで「自分はだめなんじゃないか」と感じることはとても多いものです。
その気持ちが続くと、自尊心や自己肯定感がどんどん下がってしまい、「何もやる気が起きない」「外に出たくない」「自分が嫌い」といった気持ちにつながることも。
でも、自尊心が少しずつ回復してくると、子どもにはこんな変化が表れてきます。
🍀自尊心が育つことで見える変化
- 自分のことを少しずつ肯定的に見られるようになる
- 「やってみようかな」と思える場面が増える
- 他人との比較ではなく、「自分なりの成長」を感じられる
- 表情や態度に前向きさが出てくる
- 家族との関わりが増え、安心できる時間が増える
つまり、自尊心は「心の土台」です。
その土台が安定することで、子どもが「自分にはできることがある」と思えるようになるんです。
これは、学校に行く行かないに関係なく、子どもが自分の人生を歩んでいく上でとても大切な力になります。
不登校の子の自尊心を育てる“声かけ5選”

再活性期に入ったタイミングで、お母さんができる一番のサポートは、**“あたたかい言葉をかけること”**です。
ちょっとした声かけで、子どもの心はじんわりと温まります。
ここでは、日常の中で使いやすく、実際に多くの親子に効果があった**「自尊心を育てる声かけ5選」**を紹介します。
「〇〇してくれてありがとう」
例)
- 「ごはん食べてくれてありがとう」
- 「話しかけてくれてうれしかったよ」
- 「起きてきてくれてありがとう」
→ 子どもに「自分が役に立っている」「認められている」と感じてもらうことができます。
「ありがとう」は、存在そのものを肯定する魔法の言葉です。
「〇〇ができたんだね、すごい!」
例)
- 「ひとりで起きられたんだね、すごい!」
- 「お皿片づけてくれたんだね、助かる〜!」
→ 子どもが気づいていない“できたこと”を拾ってあげることがポイントです。
これを繰り返すことで、「自分にはできることがある」と思えるようになります。
「無理しなくて大丈夫だよ」
例)
- 「今日はゆっくりしててもいいよ」
- 「気分が乗らなかったらやめても大丈夫だよ」
→ 子どもは「できない自分」に罪悪感を抱えていることが多いです。
それを受け止めてくれるこの言葉は、心の力を少しずつ回復させる栄養になります。
「ママはいつでも味方だよ」
例)
- 「ママはいつもあなたの味方だよ」
- 「あなたのことが大事だよ。何があってもね」
→ 子どもが「自分は一人じゃない」「安心できる場所がある」と思えることは、自尊心回復にとってとても大切です。
家庭=安心の基地となるような言葉かけです。
「どんな気持ちだった?」
例)
- 「そのとき、どんな気持ちだった?」
- 「そう思ったんだね、教えてくれてありがとう」
→ 自分の気持ちを言葉にすることは、自己理解の第一歩。
この声かけは、**子どもが自分の感情を大切にできるようになるための“対話のきっかけ”**になります。
逆効果になることも…避けたいNGな声かけ

子どものことを思ってかけた言葉が、かえって心に傷を残してしまうことがあります。
特に、再活性期は心が少しずつ元気を取り戻している時期なので、ちょっとしたひと言が大きな影響を与えてしまうことも。
ここでは、避けたい声かけの例と、その代わりに使える表現をご紹介します。
🚫NG例①:「いつになったら学校行くの?」
→ 子どもにとっては「まだダメなんだ」と否定されるように感じる言葉。プレッシャーにもつながります。
🟢言い換え例:「今はおうちでゆっくり、自分のペースでいいからね」
→ 子どもの“今”を認めてあげることで、安心感を育てます。
🚫NG例②:「〇〇さんはもう学校行ってるよ」
→ 他の子と比べられるのは、自尊心を大きく傷つけます。
🟢言い換え例:「あなたはあなたのペースで大丈夫」
→ 比較ではなく、“その子自身”に目を向けることが大切です。
🚫NG例③:「がんばればできるよ」
→ 子どもはすでに、見えないところでがんばっています。「まだ足りない」と聞こえてしまうことも。
🟢言い換え例:「今できていること、ちゃんとあるよね」
→ 小さな努力を認めてあげる声かけが、自信につながります。
🚫NG例④:「なんでできないの?」
→ 否定的な言い方は、自己否定につながります。理由が自分でもわからないことも多いのです。
🟢言い換え例:「どうしたらラクになるかな?」
→ 問題を一緒に考えてくれる姿勢が、子どもの安心感につながります。
声かけに「正解」はありませんが、“子どもがどう感じるか”を想像することが大切です。
失敗しても大丈夫。お母さんの気持ちは、言葉以上に伝わっています。
「毎日の中でできる“自尊心サポート”の工夫」
このテーマについては、過去記事にある以下のようなルーティーンが参考になります。
📎関連記事もぜひ参考にどうぞ:
👉「【再活性期】不登校の子どもの心と体を整えるルーティーン作り」

- 家のお手伝いを一緒にする
- 「ひとりでできた!」体験を増やす
- 体を少しずつ動かす工夫
- 遊びや趣味の中から“学び”を取り入れる
日々の中で「できた!」と感じる機会を増やしてあげることが、自尊心の回復につながります。
詳しくは関連記事をご覧ください😊
「お母さん自身も、ひとりで抱えこまないで」

不登校の子どもを支えるお母さん自身も、日々たくさんの不安や葛藤を抱えていると思います。
- 「どうしたらいいのかわからない」
- 「他の家庭と比べてしまう」
- 「子どもにばかり目がいって、自分のことが後回しになる」
そんなふうに感じている方も多いのではないでしょうか。
でも、子どもが元気になるには、お母さんの心が少しでもラクであることがとても大切です。
完璧でなくていいんです。笑えない日があってもいいんです。
ときには泣いてもいいし、誰かに頼ってもいい。
🌱あなたの安心が、子どもの安心につながる
- 同じ立場の親とつながれるオンラインコミュニティ
- 学校や地域の支援センター
- カウンセリングや電話相談
そんな場を頼ることも、「親としての努力」だと私は思います。
ひとりでがんばりすぎないでくださいね。
📎関連記事もぜひ参考にどうぞ:
👉「【不登校】明るくポジティブな母になるために必要な5つのステップ」

✨まとめ|再活性期こそ、やさしい声で子どもを支えよう
- 子どもの小さな変化に気づけたら、それは回復のサイン
- 自尊心は、「自分を信じる力」、家庭の中で育てられます
- 声かけは「ありがとう」「できたね」「無理しないで大丈夫」など、やさしく肯定的な言葉を意識
- NGな声かけは、悪気がなくても心に傷を残すことがあるので要注意
- お母さん自身も、自分を大切にしてほしい
不登校の子どもが少しずつ元気を取り戻し始める「再活性期」は、親にとっても子にとっても、未来へつながるとても大切な時間です。
この時期にかける言葉は、子どもの心に深く残り、自尊心をそっと育てる栄養になります。
どんなペースでもかまいません。
親子で少しずつ進んでいけることが、何よりの“前進”です。

いつか「こんな時期もあったね」と笑える日が来ますように。