「子どもが学校に行けなくなってしまった。」
最初は少し休むだけのつもりだったのに、だんだん日常の生活リズムが崩れてきて、気がつくと家で過ごす時間が増えています。
親としては、そばで見守りたいけれど、どう声をかけたら良いのか分からなくなることもありますよね。
お子さんの元気や笑顔が戻ってくるとしたら、何か「達成感を得られる体験」が大切だと思いませんか?
実は、家の中でできる「ものづくり」は特別なスキルがなくても始められる活動。
「ハンドメイド」や「クラフト」とも呼ばれていますね。
がんばって作り上げた完成品を手にしたときの喜びは、子どもの自己肯定感を大きく育ててくれます。親子で一緒に取り組むことで、自然と会話が生まれるのも魅力です。
この記事では、初心者でも簡単にできるものづくりの方法や、そのメリットをご紹介します。
特別な準備は必要ありません。少しの道具と好奇心だけで、素敵な親子時間が始められます!
自己肯定感が低い子どもが抱える悩みとその背景
不登校になると、家で過ごす時間が長くなり、挑戦や達成の機会が少なくなります。その結果、自分の力に自信を失いがちに。
特にHSC(ひといちばい敏感な子)と呼ばれる子どもたちは、他人からの評価に敏感な分、自分を責めてしまうことも少なくありません。
子どもの感じやすい不安
- 「周りのみんなと違う自分が恥ずかしい。」
- 「何をやっても失敗しそうで怖い。」
- 「親に迷惑をかけている気がする。」
このような不安が日々積み重なり、何も手をつけたくなくなることもあるでしょう。親としては、子どもの心の声に耳を傾け、寄り添いながらも、少しずつ「小さな成功体験」を積ませてあげることが大切です。
親側の葛藤
親にとっても不登校の子どもを支えるのは簡単ではありません。
- 「そばにいてあげたいけど、どこまで手を出せばいいのか分からない。」
- 「何とか自信を持ってほしいけど、押し付けにならないか心配。」
このような葛藤を抱えながらも、「ものづくり」のようなシンプルで楽しめる活動を通して、子どもとの新しい接点を見つけることができます。
ものづくりがもたらす3つのメリット
「ものづくり」には、単なる趣味以上の力があります。手を動かして何かを作り上げることで、親子ともに心が軽くなり、日々の生活に小さな輝きをもたらしてくれるのです。
① 小さな成功体験で達成感を得られる
学校生活では試験や部活動など、成功や失敗が分かりやすいシーンが多くあります。しかし、不登校になると、それらの「目に見える挑戦」がなくなり、達成感を味わう機会が減ってしまいます。
ものづくりは、シンプルな活動からスタートできます。たとえば紙で簡単な箱を作ったり、身近な材料で小物を作るだけでも「やった!完成した!」という達成感を得られるのです。
ポイントは、完璧を目指さないこと。たとえ失敗しても、「挑戦したこと」を褒めてあげましょう。
② 親子の新しいコミュニケーションのきっかけに
親子で一緒に取り組むものづくりには、自然な会話が生まれる力があります。
特に、普段「どうして学校に行かないの?」といった話題が多くなりがちな家庭では、ものづくりを通じてリラックスした時間を共有することが重要です。
たとえば一緒に折り紙を折りながら、
- 「どの色が好き?」
- 「この形、ちょっと難しいけど一緒にやってみようか。」
こんな何気ない会話が、子どもにとっては安心感をもたらします。お互いに試行錯誤しながら「これでいいかな?」と笑い合う時間は、子どもの心をほぐす効果があります。
③ 一人時間の楽しみを見つけるきっかけになる
「一人の時間を楽しむ力」は、特にHSCの子どもにとって重要なスキルです。外出が難しい日でも、ものづくりに没頭することで自分だけの「好き」を見つけられます。
たとえば、
- ジグソーパズルを完成させる
- 図書館の本で見た工作を試してみる
こうした活動は、自分自身と向き合う時間を楽しいものに変えてくれます。親が隣でサポートしながら少しずつ自立心を育てていくことで、最終的には子ども一人でも楽しめる世界が広がります。
おすすめ!初心者でも簡単にできるものづくり3選
「何を作れば良いか分からない」という方のために、初心者でも取り組みやすいアイデアをご紹介します。特別な道具がなくても始められるものばかりです。
① フェルトで作る「動物マスコット」
対象: 初心者・親子で一緒に作りたい方におすすめ
必要な材料:
- フェルト(100円ショップで購入可能)
- ボンドや針と糸(裁縫セットがあればOK)
手順:
- 好きな動物の型を紙に描き、それをフェルトに転写します。
- 切り取ったフェルトを2枚重ね、縫い合わせるかボンドで貼り付けます。
- 綿や使わない布切れを中に詰めて完成!
ポイント:
ボンドを使えば裁縫が苦手でもOK。子どもが選んだ色や形を尊重すると、自然に自己表現が育まれます。
② 家にある紙で作る「折り紙のアートフレーム」
対象: 手軽に挑戦したい方、材料費を抑えたい方
必要な材料:
- 折り紙や厚紙(家にあるものでも可)
- 接着剤、フレーム用の画用紙
手順:
- 折り紙で好きな形を折ります(例えば鶴や花)。
- 厚紙や画用紙をフレームの土台として使い、折り紙を貼り付けます。
- 色や配置を工夫してオリジナルアートを完成させます!
ポイント:
失敗しても「次はもっと上手くできるかも!」と楽しむ気持ちが大切。一緒に作ることで自然に会話が弾みます。
③ 家にあるもので作る「オリジナルキャンドルホルダー」
対象: 部屋の雰囲気を変えたい方、少し手をかけたい方
必要な材料:
- 使い終わったガラス瓶
- グルーガン、ビーズ、リボン
手順:
- ガラス瓶の外側をきれいに洗い、乾燥させます。
- グルーガンでビーズやリボンを貼り付け、デコレーションします。
- 小さなキャンドルを中に入れて完成!
ポイント:
完成後に火を灯せば、部屋全体がほっこりした空間に。実用性があるものを作ると達成感も倍増します。
ものづくりを始めるための「初めてさんガイド」
「作るのが苦手」「失敗したらどうしよう」と感じる方のために、初心者が安心してスタートするためのヒントをお伝えします。
① 家にあるものから始める
道具や材料をすべて揃える必要はありません。身近なものを使うことで、気軽にスタートできます。たとえば、使い終わった段ボールや紙コップなども立派な材料です。
② 完璧を目指さない
初めて作るときは、どうしても「上手く作らなきゃ」と思いがちです。でも、ものづくりの本当の魅力は、楽しむことにあります。失敗しても「こんな形も面白いね」と笑い飛ばしましょう。
③ 子どもの自由な発想を尊重する
親が手を出しすぎると、子どもが「自分でやりたい!」という気持ちを失うことがあります。親はサポート役に徹し、「こんな色もいいんじゃない?」と声をかける程度にしましょう。
親子でものづくりを楽しむことで生まれた小さな変化
実際にこんなエピソードがありました。
小6の息子は学校に行けず、家でも何をしたら良いか分からない日々が続いていました。そんなある日、図書館で見つけた工作の本を元に、小さなティッシュペーパーの箱を使った動くおもちゃを作ることにしました。最初は『むずかしそうで無理だよ』と言っていた息子も、「こうしてみたらどう?」とアドバイスしたことで完成させることができました。動くおもちゃを見て『僕にもできた!』と笑顔に。次第に『ほかにも作ってみようかな?』と、自分から新しい挑戦を始めるようになりました。
ものづくりは、単なる活動以上に、心の変化を引き起こす力があります。
なにより会話が増えました!
ものづくりを日常の中に取り入れるヒント
忙しい日常の中でも、ものづくりを続けていくためのヒントをお伝えします。
- 親子の時間を決める
週末の午前中など、定期的にものづくりに取り組む時間を設けましょう。 - 季節ごとのテーマを設定する
春には花、冬には雪の結晶など、季節に合ったテーマで楽しむと新鮮さが増します。 - 少しずつ材料を揃える
一度にすべて揃えようとせず、必要に応じて買い足すと無理なく続けられます。
まとめ
この記事では、ものづくりがもたらすメリットや、初心者でも簡単にできるものづくり3選をお伝えしました。
親子でのものづくりは、共通の話題ができたりコミニュケーションがふえたり、小さな成功体験を積み重ねるきっかけにもなります。
まずは一歩踏み出して、家にあるもので簡単なものを作ってみませんか?その時間が、お子さんの笑顔と自信を取り戻す第一歩になったら素敵ですね。