朝から晩までゴロゴロ…。
起こしてもなかなか布団から出てこない。
スマホやゲームばかりで、勉強する気配もない。

「学校に行かないのは仕方ないとしても、せめて生活リズムくらい整えてほしい…!」
「こんなにダラダラしていて大丈夫なの?」
「もしかして、ただのわがままなの?」
こんなふうにモヤモヤしたり、イライラしたりしていませんか?
親としては、子どものために何かできることはないかと考えますよね。
でも、思うように動かない子どもを見ていると、どうしてもイライラが募ってしまうものです。
この記事では、「不登校の子が家でダラダラしている理由」と「親ができること」 をお伝えします。
まずは、この記事のポイントを4つにまとめました👇
✅ 「不登校=わがまま?」と思ってしまう理由とは
✅ HSCの子どもはなぜ動けなくなるのか?
✅ 朝起きられない・ゲームばかり…その行動の本当の意味
✅ 親がイライラしないための心の持ち方と対応策
「不登校=わがまま」? その誤解が生まれる理由
✅ 「学校に行きたくない」=甘えではない
✅ HSCの子どもは特に誤解されやすい
わがままに見えるのはなぜ?
不登校の子どもの行動は、親の目から見ると「わがまま」に見えてしまうことがあります。
例えば、こんな場面はありませんか?
- 朝、何度起こしても起きない
- せっかくご飯を作っても「いらない」と言う
- 一日中スマホやゲームばかり
- 「お風呂入りなさい」と言っても無視
- 片付けをしない、ダラダラしてばかり
「こんなに自由に過ごせるなら、学校にも行けるんじゃないの?」
「やりたいことだけやって、親の言うことは聞かないなんて、ただの甘えでは?」
こう思ってしまうのも、無理はありません。
でも、不登校の子どもの行動には、本人にしか分からない理由があるのです。
「学校に行きたくない」=甘えではない
「学校に行けない」のは、決して甘えではありません。
特に、HSC(ひといちばい敏感な子)の場合、学校生活で感じるストレスは想像以上に大きいもの。
- 先生に怒られるのが怖い
- 友達の何気ない一言がずっと頭から離れない
- みんなが普通にできることが、自分には苦しく感じる
こんなふうに、本人もどうしていいか分からないまま、心のエネルギーがすり減ってしまっているのです。
その結果、「もう動けない…」という状態になってしまい、家でダラダラしてしまうのです。
HSCの子どもは特に誤解されやすい
HSCの子どもは、外では「いい子」で頑張ることが多いです。
でも、そのぶん家では気を緩めて、「わがまま」に見える行動をとることがあります。
例えば…
✅ 学校では…
→ 先生に怒られないように気をつける
→ 友達とトラブルにならないよう、言いたいことを我慢する
→ 周りの空気を読みすぎて、疲れ果てる
✅ 家では…
→ 親に甘える(=安心している証拠)
→ 「もう何もしたくない」とダラダラ過ごす
→ ゲームやスマホに没頭し、現実逃避する
このギャップがあるからこそ、親としては「外ではできるのに、家ではわがまま?」と感じてしまうのです。
でも、**それは決してわがままではなく、「家だからこそ本音を出せている」**ということ。
本当の理由を知ると、見方が少し変わるかもしれませんね。ここまで読んで、「なるほど、わがままではないのかもしれない」と思った方もいるかもしれません。
では、具体的にどんな理由で子どもはダラダラしてしまうのでしょうか?
次の章では、「朝起きられない」「ゲームばかり」「親に強く当たる」 などの行動の裏にある本当の理由を解説していきます。
「わがまま」に見える行動の本当の理由
✅ 不登校の子の「ダラダラ」は、わがままではなく心のエネルギー不足
✅ HSCの子は外でがんばる分、家では気を抜きやすい
✅ 「どうしてこんな行動をするのか?」を知ることで、親のイライラが減る
「わがまま」に見えてしまう行動の裏には、子ども自身もコントロールできない理由があります。
ここでは、よくある3つの行動について、それぞれの理由を解説します。
朝起きられないのは「エネルギー切れ」だから
令和 4 年度問題行動等調査において不登校として報告された児童生徒で、中略
「体調不良」、「不安・抑うつ」、「居眠り、朝起きられない、夜眠れない」といった心身不調・生活リズム不調については、児童生徒や保護者は約 7~8 割が回答している
文部科学省【最終版】不登校要因調査報告書240507 p10・11
「何度起こしても布団から出てこない」
「夜遅くまで起きているせいで、朝起きられないのでは?」
そう思っているお母さんも多いかもしれません。
でも、不登校の子が朝起きられないのは、単なる夜更かしのせいではなく、心のエネルギーが切れているからです。
HSCの子は、交感神経と副交感神経のバランスが崩れやすい
学校にいる間、HSCの子は常に緊張状態です。
先生の指示に注意を払ったり、友達との関係を気にしたりすることで、交感神経(活動モード)がフル稼働しています。
そのため、家に帰るとどっと疲れが出て、「副交感神経(リラックスモード)」が優位になりすぎてしまうことも。
結果的に…
✅ 朝になると、体が重くて動けない
✅ 昼過ぎまで寝てしまい、生活リズムが崩れる
✅ 「頑張ろう」と思っても体がついてこない
これは「怠けている」のではなく、HSCの子が持つ特性のひとつ。
無理に起こすよりも、まずは心と体のエネルギーを回復させることが大切です。
ゲームばかりするのは「安心できる居場所」を求めているから
「学校には行けないのに、ゲームはできるの?」
「勉強はしないのに、スマホばかり見てるのはただのわがままでは?」
こう思うお母さんも多いかもしれません。
でも、子どもがゲームやスマホに夢中になるのは、「サボりたいから」ではなく、心が安心できる場所を求めているからです。
ゲームの世界は「否定されない安全な場所」
学校では…
✅ 勉強ができないと「努力不足」と言われる
✅ 友達とうまく話せないと「もっと積極的に」と言われる
✅ 自分の気持ちを分かってくれる人がいない
でも、ゲームの世界では…
✅ 自分のペースで進められる
✅ 誰かに怒られたり、比較されたりしない
✅ 達成感が得られる(「レベルアップ」「ミッション達成」など)
つまり、ゲームは「ただの遊び」ではなく、現実で傷ついた心を癒す手段なのです。
もちろん、ずっとゲームばかりでは心配ですよね。
でも、「ゲームを取り上げる」のではなく、ゲーム以外にも安心できる居場所を作ることが大切です。
親に強く当たるのは「本音を出せるのが親だけ」だから
「前は優しい子だったのに、最近はちょっとしたことで怒る…」
「急に暴言を吐いたり、イライラをぶつけてきたりする…」
こういう行動が増えると、「わがままになったの?」と不安になるかもしれません。
でも、これは**「親に甘えられるからこそ」起こる行動**なんです。
✅ HSCの子は、外では「いい子」を頑張っている
✅ でも、そのぶん家ではエネルギーを使い果たしている
✅ 親だけが「素の自分を出せる相手」になっている
つまり、「親に強く当たる」のは、本当は誰よりも信頼している証拠なんです。
もちろん、暴言や攻撃的な態度を受け続けるのは親も辛いですよね。
そんなときは、「どうしてそんな態度をとるの?」と問い詰めるより、「なんか嫌なことあった?」と気持ちを聞いてあげるのが効果的です。
不登校の子を「わがまま」と叱るべき?
「甘やかしすぎなのかな?」
「厳しくしたほうがいいの?」
こんなふうに悩むお母さんも多いですよね。
でも、叱ることで事態が悪化することがほとんどです。
叱ることで起こる悪循環とは?



❌「ダラダラしないで、ちゃんとしなさい!」
❌「わがままばっかり言ってたら、将来困るよ!」
こう言われると、子どもはどう思うでしょう?



「自分はダメな子なんだ…」
「お母さんも分かってくれない…」
こうして、さらに自信をなくし、心を閉ざしてしまいます。
また、HSCの子は人の言葉を深く受け止めすぎるため、叱られると「自分を責める気持ち」が強くなります。
つまり、厳しくするほど、子どもはどんどん動けなくなってしまうのです。
叱るよりも効果的な対応とは?
では、どう対応すればいいのでしょうか?
✅ 「なんで学校行かないの?」ではなく「何か困ってることある?」と聞く
✅ 「どうして動かないの?」ではなく「今は休みが必要なんだね」と認める
✅ 「将来どうするの?」ではなく「今できることからやってみよう」とサポートする
「わがまま」と決めつけず、子どもの気持ちを理解しようとすることが大切です。
【まとめ】
✅ 不登校の子の「ダラダラ」は、わがままではなく心のエネルギー不足
✅ HSCの子は、外で頑張るぶん家では気を抜きやすい
✅ 叱るよりも、「この行動は何を伝えたいのかな?」と考えることが大切
✅ 親も無理をしすぎず、子どもと一緒に「安心できる環境」を作っていこう
「なんでこんなにダラダラしているの?」とイライラする気持ちは、決して間違いではありません。
でも、子ども自身も「このままじゃダメかも」と感じていることが多いのです。
親ができるのは、「すぐに変えようとする」のではなく、まずは子どもの気持ちを理解すること。
少しずつエネルギーを回復すれば、子どもは自然と動き出します。
焦らず、**「今のこの子にとって何が必要なのか」**を一緒に考えていきましょう。