
「うちの子、中学に入ってもこのままで大丈夫?」



「進路はどうなるの?」
不登校のまま小学校を卒業し、中学入学を迎えるタイミングで、親として不安を抱えるのは当然のことです。小学校のときは「とりあえず今を乗り切れば」と思えていたのに、中学になると「この先どうなるんだろう」「進路はどうなるの?」と、未来への不安が大きくなることも。
でも、大丈夫です。不安を整理し、親自身の気持ちを整えることで、子どもを無理なく支える方法が見えてきます。
この記事では、不登校の子を持つ親が「中学入学時に気をつけるべきポイント」を5つご紹介します。親の不安を軽くしながら、子どもを安心してサポートするためのヒントをお伝えしますね。
1. 中学になると何が変わる?小学校との違いを知る


小学校と同じ気持ちでいると、中学特有の環境の変化に戸惑うことがあります。
中学校に進学すると、次のような変化が起こります。
- 教科ごとに先生が変わる → 担任が変わるだけでなく、授業ごとに違う先生になるため、特定の先生に頼りにくくなる
- 学習内容が難しくなる → テストの成績が「内申点」に影響し、進路と結びつく
- 友人関係が変化しやすい → クラス替えがあり、小学校時代の友達と距離ができることも
- 「不登校=進学に影響する?」という新たな不安が出てくる
一つずつ見ていきましょう。
教科ごとに先生が変わる → 担任が変わるだけでなく、授業ごとに違う先生になるため、特定の先生に頼りにくくなる
小学校では担任の先生がすべての教科を担当し、子どもに対する理解が深まりやすい環境でした。
しかし、中学になると各教科ごとに担当の先生が変わり、「誰に相談すればいいのかわからない」という状況が生まれやすくなります。
また、先生ごとに授業の進め方や対応が異なるため、学校に行くのが苦手な子にとって「この先生は怖い」「この先生の授業は苦手」といった新たなストレスが生じることもあります。
親としては、まず担任の先生と連携し、「どの先生なら子どもが話しやすいか」「どの教科なら参加しやすいか」など、少しずつ環境を整えていくのが大切です。
学習内容が難しくなる → テストの成績が「内申点」に影響し、進路と結びつく


中学では小学校よりも学習の進みが早くなり、テストの成績が高校進学に直接関わる「内申点」に影響します。
そのため、勉強が苦手な子や学校に行けない子は、「授業についていけるだろうか」「勉強が遅れてしまって大丈夫?」という不安を抱えやすくなります。
しかし、最近ではフリースクールやオンライン学習の選択肢も増え、学校に行かなくても学習を続ける方法はあります。親ができることは、「学校の授業にこだわらず、子どもに合った学びの場を探すこと」。
まずは、家庭学習のペースを整えたり、オンライン教材を試したりして、「学ぶ楽しさ」を感じられる環境を整えていきましょう。
学校に行けない子どものための出席認定、詳しくはこちらの記事でどうぞ!


友人関係が変化しやすい → クラス替えがあり、小学校時代の友達と距離ができることも
小学校では長年同じクラスメイトと過ごすことが多く、顔なじみの友達がいる安心感がありました。
しかし、中学ではクラス替えがあり、新しい友達関係が形成されるため、「今まで仲が良かった子と距離ができてしまった」「気軽に話せる人がいない」と感じることが増えます。
特に、不登校の子は学校に行かなくなると自然と人間関係が途切れやすくなり、「友達がいなくなるのでは?」と不安を抱えることも。
ですが、学校だけが人間関係を築く場所ではありません。オンラインの習い事や、フリースクール、親同士の交流会などを活用して、安心できるつながりを見つけることも一つの方法です。
「不登校=進学に影響する?」という新たな不安が出てくる


中学になると、「このまま高校に行けるのか?」という進学の問題が現実的になってきます。
小学校では「まだ先の話」と考えていた親も、中学に入ると「高校受験のためにはどうすればいいの?」と焦りを感じることが増えます。
不登校でも進学できるルートはたくさんありますが、情報を知らないと「学校に行けない=将来が不安」と感じてしまうもの。
まずは、「不登校でも高校に進学できる方法はいくつもある」という事実を知ることが大切です。
通信制高校、定時制高校、フリースクールといった選択肢を早めにリサーチし、子どもが「自分にも進める道がある」と安心できるようサポートしていきましょう。
フリースクールなどの記事はこちらです





「小学校では、担任の先生が親身になって支援してくれたけど、中学に入ったら“個別対応が難しい”と言われてショックでした。親がこまめに情報収集しないと、子どもの状況が見えづらくなると感じました。」
でも、“中学だからもっと頑張らないと”と焦る必要はありません。中学には中学なりの対応策があります。
まずは、小学校との違いを知り、不安を整理することが大切です。
2. 「このままでいいの?」という焦りに向き合う


「なんとか学校に行かせなきゃ」という焦りが、逆に親子のストレスを増やすことがあります。
- 中学に入ると「進学」「内申点」など、将来への焦りが大きくなる
- 親が焦ると、子どもも「自分はダメなんだ…」とプレッシャーを感じやすい
- 「できることを増やす」よりも「今できることに目を向ける」方が気持ちが楽になる
親が「なんとか学校に行かせなきゃ」と焦るのは、子どもの将来を思うからこそ。
しかし、その焦りが強くなると、無意識のうちに「早く行かなきゃダメ」「このままじゃ遅れる」といったプレッシャーを子どもに与えてしまいます。
すると、子どもは「親をがっかりさせたくない」「でも行けない…」と葛藤し、余計に動けなくなることも。
まずは「今のままでも大丈夫」と受け入れることで、親子ともに心が落ち着き、次の一歩を前向きに考えられるようになります。
「でも、“このままでいいの?”という気持ちは当然のもの。それだけ子どもを大切に思っている証拠です。」



“今のままでも大丈夫”と受け入れることで、親も子も心が楽になります。
3. 先生との関わり方を工夫する
「先生とのコミュニケーションを工夫すると、支援が受けやすくなる」
- 担任が複数のクラスを担当するため、個別対応が難しくなる
- 先生によって、不登校への理解度に差がある
- 具体的な要望を伝えると、学校側も動きやすい



我が家の場合はこんなことがありました。
学校に問題なく通えるために担任の先生にトイレと給食について相談してみました。
すると、
- 給食は食べれる分だけでOK(お弁当を持参しても可)
- トイレは他の生徒の利用が少ない場所を利用してみてはどうか
- 担任が複数のクラスを担当するため、個別対応が難しくなるが、学年で共有します
と、親身に対応してくれたのです。
そうは言っても、親が学校に連絡するのは気が引けることもありますよね。先生とうまくいかないこともある。
「どんな支援があれば助かるか」を具体的に伝えることで、先生との関係がスムーズになり、子どもの不安材料がなくなります。



不安が少なくなったよ。
4. 友人関係の変化に注意する
「中学では友人関係が変わりやすいので、無理に友達を作らせようとしなくても大丈夫」
- クラス替えで人間関係がリセットされる
- これまで仲良しだった友達と距離ができることも
- 「学校以外の人間関係」も選択肢の一つ
こんなことがあるかもしれません。



小学校で仲良しだった友達が、中学ではクラスが離ればなれに。前みたく話さなくなってしまった。
でも、オンライン習い事で新しい友達ができた。



それは良かったね。
友人関係って変化していくものですよね。“学校だけ”にこだわらなくてもいいんです。
5. 親自身のケアを大切にする
「親が心の余裕を持つことが、子どもの安心につながる」
- 親が疲れていると、子どもも不安を感じる
- 親自身の「息抜き」が冷静な対応につながる



どうしてでしょうか?
親の気持ちは、子どもにダイレクトに伝わります。
親が焦ったり、不安を抱えたりしていると、子どもも「自分のせいで親が苦しんでいる」と感じ、余計にプレッシャーを抱えてしまうことがあります。
逆に、親が少しでも心の余裕を持てると、子どもは「大丈夫なんだ」と安心しやすくなります。また、親自身がリラックスしていると、子どもの状況を冷静に受け止め、適切な対応がしやすくなるというメリットも。
親の安定した気持ちが、子どもの安心感につながるのです。
「週に1回好きなドラマを見る時間を作ったら、気持ちが少し楽になった。」小さなことから始めてみましょう。
“親も無理をしない”ことが、不登校の子を支える第一歩です。
まとめ
この記事では、小学校と中学校の違いと親ができること5つのポイントについてふれました。
- 中学の環境の変化を知る
- 焦りを手放す
- 先生との関係を工夫する
- 友人関係にこだわりすぎない
- 親自身のケアを大切にする
不登校の子どもが中学に進学するとき、親は「このままでいいの?」という不安を抱えがちです。
でも、小学校と中学校の違いを理解し、焦りを手放すことで、少しずつ心の負担が軽くなっていきます。
先生との関わり方を工夫したり、学校以外のつながりを意識したりすることで、子どもにとって安心できる環境を整えることができます。
また、親自身が余裕を持つことも大切です。
「今のままでも大丈夫」と受け入れることで、子どもも安心し、親子の関係がより良いものになっていきます。
あなたも、そしてお子さんも、決してひとりではありません。無理せず、一歩ずつ進んでいきましょう。