小学校の卒業式が近づくこの冬、不登校の6年生を持つ親御さんにとって、心がざわつく時期ではありませんか?
お子さんが学校に行けない状況で、「卒業式に出るかどうか」だけでなく、「冬休みをどう過ごすべきか」と悩むこともあるでしょう。
特に、この冬休みは新しいステージに向けての準備期間です。ただ、「何かをしなければ」とプレッシャーを感じる必要はありません。
子どもたちが自分らしく、中学入学に向けて心を整えるための時間として過ごせるよう、親子で取り組めることを7つにまとめました。
卒業前の冬休みに取り組むべき理由
冬休みは、小学校と中学校の架け橋となる重要な期間です。
不登校の子どもたちにとっては特に、環境の変化や新しい人間関係への不安が大きいことが予想されます。
そんな中、この時期を活用して少しでも中学生活への準備を進めることで、子どもの不安を軽減し、新しい環境への適応をスムーズにする助けになります。
また、冬休みは比較的自由な時間が多い分、親子で一緒に過ごせる貴重な期間でもあります。
子どものペースを大切にしながら、必要なことに取り組む時間を確保することで、卒業を前にした心の負担を少しずつ減らしていけるはずです。
卒業を控えた冬休みにできること7選
1. 子どもの気持ちをまず受け止める
まず、子どもの今の気持ちをしっかり受け止めることが、冬休みを有意義に過ごす第一歩です。
卒業式を前にしたこの時期、不登校のお子さんはさまざまな感情を抱えています。特に「学校に行けなかった自分」を責める気持ちや、中学校への不安を感じていることも少なくありません。
例えば、「卒業式に出られるかな?」「みんなと違う自分が恥ずかしい」といった気持ちを抱えているお子さんも多いでしょう。
その気持ちを否定せず、「そう思うのも当然だよ」と受け止めることで、子どもは安心感を得られます。
「何を感じても大丈夫だよ」と声をかけ、気持ちを聞いてあげるだけで、子どもは心を少し軽くできるでしょう。
2. 家族で卒業式の話題を共有する
卒業式について、家族で話し合う時間を持つことが大切です。
お子さんにとって卒業式は大きな節目。参加するかどうかはもちろん、卒業証書の受け取り方法についても家族で一緒に決めることで、安心感が生まれます。
卒業式に出る場合でも出ない場合でも、「どうしたい?」とお子さんに選択肢を提示するのがポイントです。
「卒業証書を家で校長先生からもらうこともできるよ」など、学校との連携方法を伝えると、選択肢が広がります。
大切なのは、「どんな選択をしても間違いじゃない」とお子さんが思えるように寄り添うことです。
卒業式はどうしたいかな?
式には出たくない
そうなんだね
3. 生活リズムを整える練習を始める
中学校生活に向けて、少しずつ生活リズムを整える練習を始めてみましょう。
学校生活に必要な体力やリズムを整えておくことで、春以降の新生活がスムーズになります。
不登校の期間が長いと、朝起きる時間や夜寝る時間が乱れがちになりますよね。
例えば、朝起きたら軽いストレッチをする習慣をつけるだけでも、体が目覚めやすくなります。「無理せず週に2~3日だけ」といった形で始めるのもOKです。
家族みんなで取り組むのもおすすめです。
「できる範囲で」「楽しく」がポイント。
4. 小学校生活を振り返る時間をつくる
小学校での思い出を振り返り、気持ちの整理をする時間をつくりましょう。
卒業式は「お別れ」の場でもあります。楽しい思い出だけでなく、辛かった出来事も含めて振り返ることで、新しいスタートに向けた心の準備ができます。
一緒にアルバムを見たり、家族で思い出話をしたりするのも良いですね。
「あなたが運動会で頑張った姿が忘れられない」と、ポジティブなエピソードを話すのも効果的です。
過去を振り返ることで、子どもが「自分なりに頑張ってきた」と思える時間をつくりましょう。
5. 興味のあることに挑戦する
冬休みを使って、新しい趣味や興味のあることに挑戦してみましょう。
「好きなことをする時間」は、自己肯定感を高める絶好のチャンスです。
不登校の子どもは「自分に価値がない」と思いがちなので、好きなことを通じて自信を育むことができます。
例えば、絵を描くのが好きなら画材をプレゼントしたり、ゲーム好きならプログラミングに触れるのも良いですね。親が「新しいことに挑戦する姿」を見せるのも効果的です。
「好き」を伸ばす冬休みをつくることで、前向きな気持ちが生まれます。
6. 親子で中学校の準備を進める
中学校で必要なものを親子で揃えるのも、良い冬休みの過ごし方です。
子どもにとって「準備を一緒にする時間」は、中学校への不安を少し和らげる効果があります。「自分も準備できている」と感じることで、気持ちが安定します。
一緒に通学カバンや文房具を選ぶことで、子どもが「新しい生活を楽しみにする気持ち」を持つきっかけになります。
「準備を一緒にする時間」が、親子のコミュニケーションを深める機会にもなります。
7. 親がリフレッシュする時間も確保する
最後に大切なのは、親御さん自身がリフレッシュする時間をつくることです。
親のストレスや不安が子どもに伝わると、子どもも不安になりがちです。親が心に余裕を持つことで、子どもにも安心感を与えられます。
趣味に没頭したり、気の合う友人とお茶をしたり、短時間でも自分の時間を持つことを意識してみましょう。
親が元気でいることは、子どもにとっても何よりのサポートです。
親として気をつけるポイント
冬休みは子どもの成長を支える大切な期間ですが、親としての接し方も重要です。
特に不登校の子どもには、無理に何かをさせようとすると逆効果になることがあります。
以下のポイントを心に留めながら、穏やかにサポートしていきましょう。
1. プレッシャーをかけない
「何かをしなければならない」と感じさせると、子どもはストレスを感じやすくなります。「できたらいいね」という軽いニュアンスで接し、子どもの自主性を尊重しましょう。
2. 比較を避ける
同年代の子どもと比較することは、子どもの自己肯定感を下げてしまいます。他の子ではなく、子ども自身の成長に目を向けるように心がけましょう。
3. 子どもの気持ちを尊重する
子どもが何を感じているのかを理解し、気持ちに寄り添うことが大切です。
「どうしたい?」と質問し、選択肢を与えることで、安心感を持たせることができます。
まとめ
小学校卒業を控えた冬休みは、親子で新たなスタートに向けた準備をしたり、気持ちを整理したり。新しいスタートに向けた準備をする大切な期間です。
不登校という状況だからこそ、子どものペースを大切にしながら、無理なくできることに取り組むことが鍵となります。
今回ご紹介した7つの取り組みと親としての接し方のポイントを参考に、この冬休みを穏やかで実りある時間にしてください。「できること」に目を向けて、無理せず親子のペースで過ごしましょう。
そして、新しいステージに向けて親子で笑顔で進んでいきましょう。