小学校に通えなかった子どもの卒業式はどうしたらいいのか? 他の不登校の子どもは卒業式に出席するの? 欠席するの? 卒業式はどんな感じなんだろう。
6年生になると、不登校の子どもを持つ母は悩んでしまいますね。
この記事では、
・学校が用意してくれた3パターンの卒業式とは
・不登校児童の本音と母の想い
・完全不登校だった息子の場合の卒業式の様子
がわかります。
学校との関係性や、その学校によって対応は違います。しかし、こんな方法もあるんだなと先に知っておくだけで担任に相談することができたり、母の心にも少しだけ余裕ができるのではないでしょうか?
1つの例として参考になれば幸いです。
学校にはずっと行っていないけど、卒業式はどうしたらいいんだろう?
出たくないよー。
息子の卒業をひかえ悩みを抱えていた私に、担任の先生は卒業式についていくつか提案してくださいました。
卒業証書をもらう3つの方法とは?
学校に行けなくなってしまった息子1人のために、先生がくれた3つの選択肢とは?さらに言うと、もう少し具体的な案も考えてくれていました。
①つ目の選択肢から見ていきましょう。
①みんなと一緒に卒業式
卒業式当日は、みんなと同じ時間に同じように登校し、通常通り式に参加する。
「五月雨登校(登校したり、しなかったり、毎日ではないがどんな形であれ、登校することができている子)」は参加できるでしょう。
しかし、うちのように完全不登校で「卒業式には行くか!」という気持ちになれないのは明らか。そのメンタルがあれば、通学もできるでしょう。
もう少し具体的に、
- 式が始まるまでは別室で待機、「卒業証書授与」の時にすっと入って行って受け取る
- 式の様子は別室にてオンラインで鑑賞、後でみんなとは別で「卒業証書をもらう」……
と、いくつかの案も用意してくれました。しかし、息子は下を向いて首を横に振り続けます。お友達と会うかもしれない状況が嫌なんですね。
②校長室で個別に卒業式
卒業式がすべて終わり、卒業生が帰った後に個別に校長室にておこないます。
お友達に会うこともなく、小学校最後の行事に参加することができる。学校側は大変ですが子どもにとっては、
- 小規模でも卒業式の雰囲気を体感できる
- 5年の途中までは通学できていたこと
- おうちでも息子なりにがんばってきたことは自信になる
不登校の子どもだって、胸を張って卒業証書をもらってもいいと思うのです。
息子はしばらく悩んでいましたが、私と担任に諭されて少しうつむき何か考え込んでいるようです。
結果的には我が家はこの選択に決定しました。
③母が学校に取りに行く
学校に行けない息子の代わりに、母が「卒業証書」を受け取りに行く。(なんだかそれも気まずいから、郵送できればいいんですけどね。)
息子的には、外に出たくない、学校にも行きたくないからこれが良かったけど言えなかったらしい。
担任の先生によっては、外出拒否の子どもに最後に会うために届けてくれることもあるようです。
卒業式について不登校児童の本音と母の想い
不登校の子どもは卒業式だって「学校に行きたくない」。それは近くで見てきている母はよくわかります。
でも、人生で1度しかない「小学校の卒業式」。がんばってほしい……という想いもあるのです。
色々悩み、我が家は②校長室で個別に卒業式を選びましたが、お互いに抱えている不安や想いを話し合いました。
不登校児童の本音
- 卒業式に出たくないけど出なくちゃダメなのかな
- 卒業証書は式に出なければもらえないのかな
- 卒業式だけ行くのは友達がいる手前気まずい
- 友達に会いたくない
- 疲れるから行きたくない
行きたくなーい‼
母の想い
- (本人の意思を尊重したいけど)節目の行事なので、みんなと一緒に卒業出来たほうが良いのではないか
- 「式に参加できた」という事実がこれからの自信になったらいいな
- とはいえ、約2年もお休みしていたのにみんなと一緒に卒業証書をもらうのもなんか気まずいだろうなぁ……
- 息子が拒否するなら、私が「卒業証書」を取りに行くのかなぁ……
それもなんか微妙……。
しかし息子と私、胸の内を話してみることで「譲れない無理なこと」や「がんばれそうな部分」が見えてきました。学校には行きたくなかった息子が、短時間で終わる校長室の卒業式なら、行くことができそうと気持ちを切り替えてくれたのです。
こうしてドキドキしながらも3/21日を迎えたのです。
不登校のための個別卒業式の様子
3/21。みんなが帰っていった13:30頃「不登校のための個別卒業式」が始まりました。
父・母はセレモニースーツで参加。息子は嫌々ながらも、なんとかワイシャツにネクタイ、そしてジャケットを着て出席。
学校側は校長先生、教頭先生、5年生の時の担任の先生、6年生の時の担任の先生、学年主任の先生の5名の先生が出席してくださいました。
個別卒業式のようす
- 教頭先生によるあいさつ「第〇回卒業授与式を始めます」
- 卒業証書授与(名前を呼んでもらい証書をうけとる)
- 校長先生のお言葉
- 締めのあいさつ
時間にして10分程度でしたが、アットホームでリラックスした雰囲気で終わり、息子に無理のないように配慮しつつ「卒業証書授与」の機会を作っていただいたことに私は胸が熱くなりました。
小学校も今日で卒業なんだなぁー。
本当にあっという間でしたので、感動で泣くという感じもなかったのですが、息子が自分の手で卒業証書授与できたことは立派でした。
卒業式を終えた息子のようす
お母さんに卒業証書を取りに行って欲しかった息子ですが、終わってしまえば校長室でやってよかったと思っているのかもしれません。
今はまだ実感がわかないけど、別にイヤではなかったようです。卒業証書がもらえてホッとしているようにも見えました。
小さな壁を乗り越えて、ちょぴり成長をしました。なんだか私も主人も帰り道がほっこりうれしかったのを感じました。
まとめ
今回は不登校児童でも卒業証書をもらう3つの方法と息子の本音や、母の想いを紹介しました。Yahoo知恵袋を見ても、不登校の子供たちの本音は卒業式に出たくない、というのが目立ちます。
「卒業式はみんなと一緒に出たほうがよいのでは? 」親や周りの大人が、そう思いますが
「参加したくない。」という気持ちや心のつらさは、不登校の本人にしかわからないものです。
学校の対応はそれぞれですが、「どうすれば参加しやすいのか」
- 個別の卒業式
- 別室待機
- オンラインで見届ける
という選択肢を、しっかりと考えていただけたので、息子の負担は少なかったように思います。
しかし、大切なことは
- 出席したいのか
- やっぱり嫌なのか
自己決定ができること、意見が言えることなんだと思います。
その学校の考え方や、学校との関係性によって対応は違います。しかし、こんな方法もあるんだなと先に知っておくだけで相談することができたり、あなたの心にも少しだけ余裕ができるのではないでしょうか?
1つの例として参考にしていただけると嬉しいです。
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